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  • 地のもん

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    今月の地のもん

    志布志漁業協同組合

    「志布志漁業協同組合」
    鹿児島県志布志市志布志町帖6617-17
    TEL 099-472-1011

    「志布志のはも」志布志ブランドとして発信
    第32回 「志布志漁業協同組合」

      鱧(はも)は、沿岸部に生息する大型肉食魚で、京都の祇園祭の暑い季節の頃を旬とする、高級食材としてのイメージがあります。そんな関西の産物の観念を持っているのは私だけではないと思います。しかし、鹿児島の志布志湾でもハモが水揚げされていて、その漁獲量は全国でもトップクラス。この事はそれまであまり知られていなかったことです。志布志では、昔よりハモ漁は行われており、仲買人を通して関西の方面に出荷されていました。15年ほど前までは、かなりの高値で取引をされていましたが、中国や韓国からの輸入物が増え、価格が暴落しました。そこでその漁価を安定させるためまた、地元で取れるすばらしい産物は、ぜひ地元で消費しようと発起し、鹿児島県、志布志町(現 志布志市)、そして志布志漁協が一体となって「はも」を志布志ブランドとして打ち出していきます。

     平成17年に はもの骨切り機 を購入します。ご存じのように、ハモは長くて硬い小骨が大変多く、食べるには「骨切り」という下処理が必要になります。これは、腹側から開いた、ハモの身に皮を切らないように細かい切り込みを入れて、小骨を切断する技法で、大変難しく、熟練が必要です。「志布志のはも」はこの作業を機械が行うのですが、熟練職人ほどの仕上がりです。骨切りされた物は、真空パックされて売られています。そして、地元の婦人部の方々が工夫を重ね、天ぷらやみりん干しなども販売しています。そして、学校給食にもはも料理が登場するそうで、まさに地産地消です。

     毎年、5月の第二日曜日である、母の日に「はも祭り」が開催されます。約3,000人ほどの来場者で賑わいますが、ハモ料理の出店や即売会などで地元の人にもっともっと、ハモについて知ってもらおうという取り組みは功を奏するようですね。

     ハモは、基本的に1年中捕れる魚です。海底に生息するため、底曳き船で漁獲しますがなんと昔は、1本釣りも行われていたようです。以前は、1日に1トンほど取れていた物が、今では1日に100キロほどしか取れないこともあるそうです。原因は、気候の変化や、潮の流れが変わっただとかいろいろ考えられますが、はっきりとした理由はわかりません。ハモだけでなく、他の魚の漁獲量も落ちているようです。

     このような環境の中で、地元の方々は様々な努力を行い、地元で取れる物を大切にしようという想いはすばらしいことです。あらゆる行政機関だけではなく、地元の飲食店でも「はも」を使ったメニューを作り出し、売り出しています。志布志には他にも「シラス」「ばい貝」など志布志ならではの産物がありますが、どれもそのものを売り出すだけでなく、様々な加工品やメニューを考えていくところに志布志の元気を感じることが出来ます。          

     これから先、「志布志ブランド」として「志布志のはも」は定着していきます。高級食材と思われてきたハモを、安価で食べることが出来るのは幸せですね。これから、夏に向けてハモの漁獲量も増えていきます。皆さん、ぜひ志布志に足を運んで「はも料理」を堪能してください。